東京高等裁判所 昭和55年(ラ)1458号 決定
原審裁判所が相手方の申立てにより原決定において抗告人に提出を命じた文書が相手方の商業帳簿であることは、原決定掲記の文書の標目により明らかであり、かつ、相手方と抗告人とは、現にそれぞれ原告及び被告として本件配当異議訴訟を抗争中であることも記録上明らかであるから、商法第三五条による文書提出命令申立てに対する決定として、原決定に違法のかどはない。蓋し、同条は、民事訴訟法第三一一条以下の文書提出命令についての特則であって、抗告人主張の如く相手方(会社)の株主又は債権者でなければ申立権がないとするものでないことは明白であるのみならず、同法第三一二条各号列記の要件の具備を要するものでもないと解すべきであるからである。
(林 宮崎 高野)